園長だより

落ち葉掃き

落ち葉掃き     

 落葉の季節である。園庭の落ち葉はきが職員の日課になっている。樹の種類が違うので落ち葉掃きも続く。さんしゅゆ、はなみずき、なつつばきと時期をずらして落ちてくる。今残っているのはコナラとメイプルレインボーである。

 落ち葉掃きの季節になるといつも二宮尊徳の「天道」と「人道」の教えが頭をかすめる。晩秋に葉が落ちるのは天道で自然のなせることでどうしようもない。恨んではならない。しかし、幼稚園は街中にある。落ちるままにしていれば近所にご迷惑になる。落ち葉を掃く必要がある。その落ち葉を掃くのが人道である。葉は日々休まず昼夜の区別なく落ちる。掃いても掃いても落ちる。しかしこれに心を煩わしたり、いらいらしたりしてはいけない。一日に一回掃いたら、あとは自然のままでよい。一時間ごとに何回も何回も掃く必要がないのである。つまり天道と人道の調和が大事であると。

 子どもたちの教育・保育にもこの「天道と人道の調和」のような考え方が大事ではなかろうかと常日頃考えている。子ども自身がもっている伸びようとする力とそれに対する適切な大人の関わりの調和が大事ではなかろうか。ほったらかしもいけないし、かまいすぎもいけない。時には我慢も必要である。

  令和2年11月27日 園長 坂本信行