園長だより

ひめもくれん

 姫木蓮が4月9日に咲き始めた。昨年は4月20日に記録されているので例年より早い。園庭には一カ月ほど前から黄色い「さんしゅゆ」が咲き続け、それに白い姫木蓮が加わり、にわかに明るくなって、新入園児を迎えるのにふさわしい。木蓮は、咲き始めは上の方からまばらに咲くので、今年は花が少ないのかなと思われがちだが、日数がたつと枝いっぱいに花が開く。ハクモクレンの半分くらいの大きさなのでだいぶ小さい。色は白だが基部の方に紫の筋が入っている。

 幼稚園に勤務したとき、姫木蓮か姫こぶしか迷った。少し見ただけでは、花があちらこちらを向いて咲いていたのでこぶしかなと思った。木蓮は上を向いて咲くからである。花弁を数えると9枚(うち外側の3枚は花弁のような「がく」で大きさは小さめ)なので木蓮と判断した。

 年長の子どもが園長先生に聞きたいといって灰色の毛のあるものをたくさん持ってきた。裏は濃い茶色である。木蓮の樹の下に落ちていたという。「包」である。「冬の間、花のつぼみを寒さから守るようにあたたかい毛で包んでいたものだよ」と話した。

令和3年4月15日 坂本信行