園長だより

木の葉が落ちて

木の葉が落ちて

園庭の木の葉が落ちた。この時期になると一つの詩が頭に浮かぶ。それは相田みつをの「裸の木蓮」である。

  裸の木蓮   相田みつを

 いま庭の木蓮は裸です/枯葉一枚枝に残しておりません

 余分なものはみんな落として/完全な裸です

 

 しかしよく見ると/それぞれの枝の先に

 固い蕾を一ツずつ/持っています

 

 木蓮にとって/一番大事なもの

 ただ一ツしっかりと/守りながら

 冬の天を仰いで/キゼンと立っています

 

 キゼンということばを/独占したかのように

 裸の木蓮は/寒風の中に

 ただ黙って立っています

 

 当園にも木蓮がある。葉の落ちた枝の先に、一番大事なものをしっかり持って、寒風にキゼンと立っている。私にとって一番大事なものは何だろう。当園にとって一番大事しなければならないものは何か。