園長だより

譲るという行為

譲るという行為 

 譲るという行為について考えている。乳幼児にとってこの行為は難しい。自分の物と他人の物という区別の意識はなく、欲しいものはすべて自分の物である。例えば、1歳頃はお友達がおもちゃで遊んでいるとき、そのおもちゃを何も言わずに奪ってしまう。奪われた子は、何も言わずに奪った子の腕をとっさに噛んでしまう。力の加減ができないので、腕には歯形がついてしまい子供は泣く。

この時の保育教諭の対応は、先ずかまれた子に対して腕を冷やしながら「痛かったね」と言葉をかけながら手当をする。嚙んだ子に対しても、「○○ちゃんが痛い、痛いと泣いているよ。」「遊んでいるおもちゃをとられて嫌だったのね」と、嚙んだ子や噛まれた子の気持ちを言葉で代弁し、気持ちを認めながら、「貸して」「いいよ」「イヤ」「どうぞ」「ありがとう」「ごめんね」などの言葉で表現することを教えていくことが大事である。「感情を言葉に」である。

   令和5年10月20日 園長 坂本信行