子供たちの幼稚園から小学校へのスムースな接続に向けて
2024年08月15日
幼稚園での学びや経験を経て培った力を発揮しながら、のびのびと小学校生活をスタートして欲しいとの思いで、当園では小学校への円滑な接続を意識した園経営を進めています。その一環として、過日、仁王小学校の先生方に来園いただき、盛岡幼稚園の保育や教育の一端を見ていただきました。小学校は一定時刻に登校し、朝の会を行い、1時間目の学習に進むという流れが一般的ですが、幼稚園は、幅のある時間帯での登園、持ち物の片づけ、園庭などでの自由な遊び、その後にクラス毎の活動に入るという流れになることが多くなっています。そこで、幼稚園と小学校の違いでもある登園の様子から見ていただきました。0歳児からの保育・教育も行っていますから、保育部の子どもたちの活動と先生方の関わりの姿もご覧いただき、その後に、来年小学校に進む年長児のクラス活動を参観していただきました。
参観後の懇談で先生方からは、「0歳から6歳までの育ちの連続性を重視している。」「個人のマークがフックや靴箱に貼られ、持ち物の片づけが自分でできる手立てとなっていた。」「自分でやりたい遊びを選択し、十分に遊び込み、満たされた表情で次の活動に移っていた。」「クラス内はひらがなに溢れ自然な形で文字への関心を高めていた」「年長児のクラス活動では、物おじせず発表する場面、発言を聞いて質問やインタビューする場面も見られ興味深かった。」等々、幼稚園の子どもたちの活動の様子について率直で新鮮な感覚の感想をいただきました。
担任からは日々の活動の中では、個々の興味や関心事を大事にしつつ、クラス全体で共有し、関心を深めていくように日々心がけていることを伝えるとともに、一つの例として、子どもたちのトマトやキュウリの栽培について、生長観察で気づいたことを発表したり絵で記録したりすること、収穫物をみんなに配るために個数を数えることが必要になったこと、食べてみての感想を発表しあったこと等々、楽しみながら学んでいることも話しました。
盛岡幼稚園は小学校との接続を円滑にすすめるために、5歳児を対象に小学校生活に必要な意欲や態度を育てることを目的に「アプローチカリキュラム」を作成して取り組んでいます。小学校では、入学した子どもたちが幼稚園等での遊びや生活を通した学びを基礎として新しい学校生活を作り出していくための「スタートカリキュラム」を作成しています。今回、小学校の先生方の訪問は、幼稚園と小学校の接続の在り方を考えていくうえで大変意義深い機会となりました。今後、双方が作成するカリキュラムがより良いものになるよう、今回のような取り組みをさらに進めていきたいと考えました。
令和6年8年15日 津川 哲二