園長だより

歩き始める、ことばを理解し話し始める、子どもの世界が大きく拡がっていきます

先生たちは日々の子どもたちの活動の様子や成長の姿を書き留めています。これまでの保育や教育の経験の中で今がこの子の成長の大きな節目と捉えたと思われる記述をよく見かけます。

 

これまで視線を向けたり、手を伸ばして触れたりすることで、興味や関心を広げてきた子どもたちが、歩くという手段を得たことで、急速に知的好奇心が広がっていくことになります。そんなはじめの一歩についての様子を次の記録から読み取ることができました。

『つかまり立ちから、手を離して立つことが増えてきた。「上手だね!」と声をかけると笑顔で拍手していた。』その翌日には『ひとり立ちから一歩歩くことができた。』そして、さらに数日後『ひとり立ちから、興味のある玩具に向かおうと5歩歩くことができていた。』と記述されていました。その場面ごとに褒めたり、励ましのことばをかけたりすることも大きな力になっていたはずです。行きたかったところに行ける喜び、そして、願いかなっておもちゃを手にした時の表情はどんなであったろうと想像してしまいます。

 

喃語の時期が過ぎ、ことばの理解も進み、発したことばを周りが理解し反応してくれることを実感しはじめている時期の記録です。

『他の子が使って遊んでいる玩具が欲しくなってしまうと、ことわることもなく、手を出し勝手にとってしまう姿があった。そばに寄って「貸して!」のことばを教えると、自分でも相手に伝えることができていた。そのことで関わる子も増えるとともに、いざこざも減る中で楽しさを感じているようだった。』 一言でも発したことばに耳を傾けてくれる大人がそばにいて、思いが伝わり、願いが叶えられる経験を重ねる中で話す喜びとともに、ことばへの関心が増していきます。話す相手も大人から周りの子どもたちへも広がり、徐々に子ども同士の会話を楽しむ姿に広がっていくことが容易に想像されます。

 

ふたばクラスから年長クラスまでの盛岡幼稚園の子どもたち、それぞれの成長の節目を越え、喜びを実感しながら新たな世界へ興味と関心を拡げていきます。

 


令和7年7月17日  園長 津川哲二