園長だより

子どもたちの散歩について思う

  新緑のこの時季、心地よい風に吹かれての子どもたちの園外散歩は楽しそうです。ほんの少しの時間だけ園から離れるだけなのですが、笑顔で手を振って出ていく子もいます。ちょっとした冒険に出かけるような気持ちなのかもしれません。

 散歩カーに乗ってのクラス、誘導ロープについている円い輪をしっかり握りしめ並んで歩くことを学びなからのクラス、手をつないで歩くクラスと、年齢によって散歩の参加スタイルは変化していきます。散歩は安全な道路歩行を学ぶとともに、友達と歩きながら移動する中で団体行動についても学ぶことにもなります。

 街中にある幼稚園ですが、季節の移ろいの中で、街路樹の葉の色、公園の草花、虫や鳥たち、そして街を歩く人たちの服装の変化もあります。もちろん引率する先生が、安全第一を考えながらも、子どもたちの年齢に応じて、それらに目を向けさせ、ことばで表現して伝え、関心を呼び起こしたり共感を促したりさせる中で五感が刺激され、様々なことに興味をもつきっかけにもなります。子どもたちは肌で、そして目で季節や自然を感じ、感受性を育んでいきます。地域の人に挨拶されたり返したりもあるでしょう。散歩に出かけることで、幼稚園の中だけでは気づけなかったたくさんの発見に出会えます。

 外で四季折々の自然や人と触れ合うことで少しずつ感性を育んで幼稚園に戻ってきます。


   令和6年5月31日 園長 津川哲二