園長だより

子どもたちの散歩について思う

  新緑のこの時季、心地よい風に吹かれての子どもたちの園外散歩は楽しそうです。ほんの少しの時間だけ園から離れるだけなのですが、笑顔で手を振って出ていく子もいます。ちょっとした冒険に出かけるような気持ちなのかもしれません。

 散歩カーに乗ってのクラス、誘導ロープについている円い輪をしっかり握りしめ並んで歩くことを学びなからのクラス、手をつないで歩くクラスと、年齢によって散歩の参加スタイルは変化していきます。散歩は安全な道路歩行を学ぶとともに、友達と歩きながら移動する中で団体行動についても学ぶことにもなります。

 街中にある幼稚園ですが、季節の移ろいの中で、街路樹の葉の色、公園の草花、虫や鳥たち、そして街を歩く人たちの服装の変化もあります。もちろん引率する先生が、安全第一を考えながらも、子どもたちの年齢に応じて、それらに目を向けさせ、ことばで表現して伝え、関心を呼び起こしたり共感を促したりさせる中で五感が刺激され、様々なことに興味をもつきっかけにもなります。子どもたちは肌で、そして目で季節や自然を感じ、感受性を育んでいきます。地域の人に挨拶されたり返したりもあるでしょう。散歩に出かけることで、幼稚園の中だけでは気づけなかったたくさんの発見に出会えます。

 外で四季折々の自然や人と触れ合うことで少しずつ感性を育んで幼稚園に戻ってきます。


   令和6年5月31日 園長 津川哲二

こいのぼり掲揚に込められた思い

 4月26日、県庁前広場での「こいのぼり掲揚式」にAクラスの子どもたちが参加し、知事と一緒に大きなこいのぼりを青空高く揚げました。その後、ポンポンを元気に振りながら「フレ・フレ・フレ」のダンスを披露した29名は笑顔いっぱい。大きな事をやり終えたという満足感にあふれていました。

 「こどもの日」からの一週間は「児童福祉」の理念や制度の周知を図るために設けられた「こどもまんなか児童福祉週間」となっています。国や県・市は社会の大切な一員である子どもたちが健やかに、夢と希望をもち、たくましく育っていける社会を創り上げるために様々な施策を進めています。「こいのぼり掲揚式」はこの週間の理解啓発の一環として行われています。

  わが国の子どもたちや家庭を取り巻く環境は解決すべき課題がまだまだ多いことも事実です。あらためて皆さんと共にあるべき姿を求め、考えていきたいものです。

  過日、担当する子どもたちの様子を記した先生のメモ書きの中の『園庭でアリ探しに夢中なAさんとBさん、(巣穴をみつけ)「石を入れたら痛いかもね」と葉っぱを入れたり逃がしてあげたりしていました。』という一文に目が留まりました。自分たちが今やろうとしていることが、足元のことばが通じない小さな小さなアリにとってどんなことかなと思いを寄せる優しい気持ちと仕草に心底嬉しくなりました。

  連休の後半がスタートします。子どもたちと過ごす時間も多くなることと思います。親子で楽しく、そして、わが子の良さをたくさん見つけられる4日間となることを願っています。

  県庁前の子どもたちが掲げたこいのぼりは11日(日)まで大空を泳ぎます。園庭のこいのぼりも子どもたちの健やかな成長を願って泳いでいます。

 

令和6年4月30日 園長 津川哲二

新年度のスタート

 4月から園長となりました津川哲二と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

 保育部の入園を祝う会、幼稚園部の第一学期始業式、そして入園式と続きと盛岡幼稚園の一年間が始まりました。子どもたちにとって この時期はお家の方から初めて離れたり、進級によって保育室や担任の先生が変わったりと期待と緊張がともなう何日間かになっていると思います。ご家庭での励まし、応援もお願いいたします。

 園門から入って園庭右側の一本の木が黄色い小さな花をたくさんつけています。サンシュユという木なそうです。黄色い花は春が来たことを感じさせて嬉しくなります。あたたかくなり、陽気に誘われて園庭で元気に走り回る子が多くなりました。ベンチで向き合って座り微笑みながら話し込んでいる子。元気に走り回り滑り台、のぼり棒といろんな遊具に挑戦していた子はちょっとの間にグループになって走り回っています。ボールをサッカーゴールにたまたまいた女の子二人にシュートする子、あうんの呼吸でボールを止め、笑顔で蹴り返している子。地べたに座り、砂場の砂を食材に見立てて「ままごと」遊びをはじめ、それを笑いあいながら美味しそうに食べるふりをしている子。

 遊びの中で、会話が弾んだり、仲間が増えたり、遊びの幅が広がったりと、子どもたちの新しい世界が拓けていきます。 子どもたちの成長に期待です。

 

令和6年4月11日 園長 津川哲二 

 

不易と流行

不易と流行(新年度の運営方針)

  運営方針の検討を行っている。その際、いつも気になるのは現在の社会情勢である。世界は今、社会の在り方がソサエティ5.0への移行期で急激に変化しつつあり、予測困難な時代とも言われている。私などは、現在の4.0の情報化社会にも対応できないのに、さらに進んでAIを駆使した社会になり、教育にもそれに対応する資質や能力が求められている。そのような状況下ではあるが、乳幼児の教育・保育を担う私たちは、園児が将来望ましい人間として成長できるように、その基盤つくりとして知・徳・体を一体として育むことが大事ではなかろうか。そのためには、自然や人やものとの関わり(活動・遊び)を通して得られる学びを重視したいと考えている。でもいつかの時代には、調和ある人間形成の土台づくりも変わるかもしれない。

令和6年3月5日 園長 坂本信行