園長だより

子ども達の安全について考える

     災害発生時に子ども達の安全を図るとともに、職員も迅速かつ的確に対応できるように毎月避難訓練を実施しています。先週は地震とその後に火災が発生という想定で避難訓練を行いました。

    今回は総合訓練として消防署員の方々が要所要所に立ち、避難の様子や先生たちの指示誘導の様子を見ていただきました。園庭で元気に遊んでいた子どもたちが地震発生の放送と同時に遊びとおしゃべりを止め先生のもとに集まる様子を。園内の子ども達は落下物に注意した後、火災のために園庭へ避難整列し待機する様子などを 観察していただきました。消防署の方からは「先生の指示をきちんと聞いて、静かに避難し、整列できていたこと。煙に備えてハンカチを鼻にあてている子が多くいたこと。これらは自分の命を守ることに繋がるんだよ。」と話していただき、褒めていただきました。毎月行っている訓練が子ども達の行動に着実に現れている姿でした。訓練を頑張った子ども達へのご褒美は、園庭に乗り入れていた「化学消防車」の見学です。ピカピカに磨き上げられた真っ赤な車を操縦している制服姿の消防署員は、ヒーローに見えたようです。消防車の様々な装備品は初めて目にするものばかりです。質問する子の目が輝いています。将来消防士になりたいと伝える子、興味が尽きないようでした。

     訓練が終わったその日の午後、次の週にAクラスの子ども達が楽しみにしていたタッピングの畑でのサツマイモ掘りについて残念な結論を出すことになりました。数日前から、市内で熊の出没情報が頻繁である事、さらにはタッピングの畑付近にも出没した情報が寄せられたことにより、子ども達が参加しての芋ほりは中止としました。子ども達の無念さは職員の無念さでもあります。

     これまで、自然災害や不審者侵入への訓練は継続してきましたが、散歩をはじめ、園外に出るこことも多いことから、この点についても検討が必要であることを考えさせられた一日となりました。

 

令和7年10月23日  園長  津 川 哲 二

子どもたちも先生も運動会モード全開です

子どもたちにとっても保護者の方にとっても大きなイベントである運動会。

種目も かけっこ、表現(ダンス)、親子競技、団体競技、リレー等々と数多く、出場する楽しみも多いうえに家族の声援を直に感じ、高揚した気持ちを家族と共有できることも運動会の大きな意義となります。いよいよ明後日です。

9月初めから園庭でもホールでも各クラスとも様々な種目の練習に打ち込んでいます。

かけっこ 一つを見ても、ゴールテープを人より少しでも先に切りたい思いでスタートラインに立つ学年もあれば、かけっこ そのものが初めてで「競いあう」以前に先生の後についてゴールまで走ることを学ぶのが第一歩の学年までと幼少期の子どもたちが成長していく姿の一端を映し出してくれる練習風景です。

幼稚園最後の運動会となる年長のAクラスの子どもたちの活躍には今年も期待です。

先輩から引き継いできた「運動会は自分たちも運営する側としての仕事を担うのだ。」という思いを持っての参加となります。開会式の入場時のプラカード係、開会宣言、準備体操、応援団、そして、閉会式での閉会宣言と大切な役割を果たすべく練習にも余念がありません。

伝統的に引き継いでいる「マット取り」の種目では、どうやって勝ち点をあげるか、スタート前に陣営内で「集まって~」と声をあげ、その後小声で作戦会議。仲間と協議してより良い方法を生み出そうとする姿にも成長を感じます。バルーンも大きな気球にするために気持ちをそろえ動きを統一することが大切だということも練習の中で身に着けていました。  

小学校に進んでも、この運動会での経験と学びは日々の学校生活に生かされていきます。

Bクラスの子どもたちも、そしてCクラスの子どもたちもそんな先輩の練習風景と運動会での活躍場面をしっかり目に焼き付け「Aクラスになったら自分たちも」との思いを持ちながら声援を送ります。

一つまた一つと成長の階段を上っていく子どもたちです。

 

 

 

令和7年9月18日  園長  津 川 哲 二

 

八月に想う

盛岡幼稚園の子どもたちの「夏休み」・「夏期保育」も残すところ数日となりました。酷暑といえる日が多いのですが、登園している子どもたちは熱中症等に留意しながら室内、園庭等で笑顔いっぱい元気に友達や先生と過ごしています。 この期間は普段に比べ登園児も少なくなり、家庭で過ごす時間も多くなります。この機会を利用して家庭毎の様々な計画により、色々な体験をさせたり旅行等をされたり、お盆でお墓参りをしたり親戚の人たちとの久々の交流・・・・・等々と、普段味わえない経験を重ねていることと思います。楽しい思い出一杯の中、笑顔で2学期始業式を迎えて欲しいと思います。

 さて、8月は、戦争・平和そして生命について考えさせられる機会が多くなります。お盆という祖先を偲ぶ機会もあります。さらに、8月6日は広島、9日は長崎の「原爆の日」。8月15日は「終戦記念日」と80年前の戦争の惨禍を学ぶと共に平和の尊さを後世に伝えていくための大事な月ともいえます。  我が国がこの80年間、戦争と無縁な国であることを大切に思うと同時に、世界では「ウクライナ」や「ガザ」のみならず、様々な地域で戦禍の中で暮らす人々がいることに思いを馳せる必要を感じます。そこには不安と恐怖で希望がもてない日がいつ果てるともなく続いています。本来あるべき子どもたちの笑顔と歓声はなく、恐怖に怯えて過ごす姿のみが目に浮かんできます。

世界が平和であること切に願うものです。

 

令和7年8月15日  園長  津川 哲二

歩き始める、ことばを理解し話し始める、子どもの世界が大きく拡がっていきます

先生たちは日々の子どもたちの活動の様子や成長の姿を書き留めています。これまでの保育や教育の経験の中で今がこの子の成長の大きな節目と捉えたと思われる記述をよく見かけます。

 

これまで視線を向けたり、手を伸ばして触れたりすることで、興味や関心を広げてきた子どもたちが、歩くという手段を得たことで、急速に知的好奇心が広がっていくことになります。そんなはじめの一歩についての様子を次の記録から読み取ることができました。

『つかまり立ちから、手を離して立つことが増えてきた。「上手だね!」と声をかけると笑顔で拍手していた。』その翌日には『ひとり立ちから一歩歩くことができた。』そして、さらに数日後『ひとり立ちから、興味のある玩具に向かおうと5歩歩くことができていた。』と記述されていました。その場面ごとに褒めたり、励ましのことばをかけたりすることも大きな力になっていたはずです。行きたかったところに行ける喜び、そして、願いかなっておもちゃを手にした時の表情はどんなであったろうと想像してしまいます。

 

喃語の時期が過ぎ、ことばの理解も進み、発したことばを周りが理解し反応してくれることを実感しはじめている時期の記録です。

『他の子が使って遊んでいる玩具が欲しくなってしまうと、ことわることもなく、手を出し勝手にとってしまう姿があった。そばに寄って「貸して!」のことばを教えると、自分でも相手に伝えることができていた。そのことで関わる子も増えるとともに、いざこざも減る中で楽しさを感じているようだった。』 一言でも発したことばに耳を傾けてくれる大人がそばにいて、思いが伝わり、願いが叶えられる経験を重ねる中で話す喜びとともに、ことばへの関心が増していきます。話す相手も大人から周りの子どもたちへも広がり、徐々に子ども同士の会話を楽しむ姿に広がっていくことが容易に想像されます。

 

ふたばクラスから年長クラスまでの盛岡幼稚園の子どもたち、それぞれの成長の節目を越え、喜びを実感しながら新たな世界へ興味と関心を拡げていきます。

 


令和7年7月17日  園長 津川哲二