八月に想う
2025年08月16日
盛岡幼稚園の子どもたちの「夏休み」・「夏期保育」も残すところ数日となりました。酷暑といえる日が多いのですが、登園している子どもたちは熱中症等に留意しながら室内、園庭等で笑顔いっぱい元気に友達や先生と過ごしています。 この期間は普段に比べ登園児も少なくなり、家庭で過ごす時間も多くなります。この機会を利用して家庭毎の様々な計画により、色々な体験をさせたり旅行等をされたり、お盆でお墓参りをしたり親戚の人たちとの久々の交流・・・・・等々と、普段味わえない経験を重ねていることと思います。楽しい思い出一杯の中、笑顔で2学期始業式を迎えて欲しいと思います。
さて、8月は、戦争・平和そして生命について考えさせられる機会が多くなります。お盆という祖先を偲ぶ機会もあります。さらに、8月6日は広島、9日は長崎の「原爆の日」。8月15日は「終戦記念日」と80年前の戦争の惨禍を学ぶと共に平和の尊さを後世に伝えていくための大事な月ともいえます。 我が国がこの80年間、戦争と無縁な国であることを大切に思うと同時に、世界では「ウクライナ」や「ガザ」のみならず、様々な地域で戦禍の中で暮らす人々がいることに思いを馳せる必要を感じます。そこには不安と恐怖で希望がもてない日がいつ果てるともなく続いています。本来あるべき子どもたちの笑顔と歓声はなく、恐怖に怯えて過ごす姿のみが目に浮かんできます。
世界が平和であること切に願うものです。
令和7年8月15日 園長 津川 哲二
歩き始める、ことばを理解し話し始める、子どもの世界が大きく拡がっていきます
2025年07月17日
先生たちは日々の子どもたちの活動の様子や成長の姿を書き留めています。これまでの保育や教育の経験の中で今がこの子の成長の大きな節目と捉えたと思われる記述をよく見かけます。
これまで視線を向けたり、手を伸ばして触れたりすることで、興味や関心を広げてきた子どもたちが、歩くという手段を得たことで、急速に知的好奇心が広がっていくことになります。そんなはじめの一歩についての様子を次の記録から読み取ることができました。
『つかまり立ちから、手を離して立つことが増えてきた。「上手だね!」と声をかけると笑顔で拍手していた。』その翌日には『ひとり立ちから一歩歩くことができた。』そして、さらに数日後『ひとり立ちから、興味のある玩具に向かおうと5歩歩くことができていた。』と記述されていました。その場面ごとに褒めたり、励ましのことばをかけたりすることも大きな力になっていたはずです。行きたかったところに行ける喜び、そして、願いかなっておもちゃを手にした時の表情はどんなであったろうと想像してしまいます。
喃語の時期が過ぎ、ことばの理解も進み、発したことばを周りが理解し反応してくれることを実感しはじめている時期の記録です。
『他の子が使って遊んでいる玩具が欲しくなってしまうと、ことわることもなく、手を出し勝手にとってしまう姿があった。そばに寄って「貸して!」のことばを教えると、自分でも相手に伝えることができていた。そのことで関わる子も増えるとともに、いざこざも減る中で楽しさを感じているようだった。』 一言でも発したことばに耳を傾けてくれる大人がそばにいて、思いが伝わり、願いが叶えられる経験を重ねる中で話す喜びとともに、ことばへの関心が増していきます。話す相手も大人から周りの子どもたちへも広がり、徐々に子ども同士の会話を楽しむ姿に広がっていくことが容易に想像されます。
ふたばクラスから年長クラスまでの盛岡幼稚園の子どもたち、それぞれの成長の節目を越え、喜びを実感しながら新たな世界へ興味と関心を拡げていきます。
令和7年7月17日 園長 津川哲二
小学校に進んだ子どもたちの学習から感じたこと
2025年06月15日
園庭を遊び回る子どもたちの服装もすっかり夏姿です。梅雨入りの報道がありましたから、外遊びに若干支障があるかも知れませんが、雨が降らなければ所狭しと遊びの輪がひろがるはずです。先生方が園庭に行事用の白いテントを一つ張りました。強い日差しを避ける場所を確保し、熱中症の予防に配慮したものです。テントの足には木製テーブルが補強用につけられていますが、子どもたちの自由な発想で、このテーブルをどんな遊びに活用するか楽しみです。
先日、卒園生が通う小学校の学校公開があり1年生の授業を中心に見てきました。「国語」は「ハスのつぼみ」の変化を読み解く説明文、「算数」は引き算の意味を学ぶ学習でした。どちらの教科も大きく掲げられた写真や絵を手がかりに「ねらい」を達成するものです。授業前は、元気な笑顔ではしゃいでいましたが、授業開始と同時に真剣な表情で先生の話や写真、絵に注目し、友達の発言に耳を傾け、挙手や発言もあり成長を感じ嬉しくなりました。
小学校でのこの日の学習を参観しながら、幼稚園での学びや体験が浮かんできました。保育部の時から色々な花や野菜を協力して育てたり、生長を観察したり、収穫物を数えたり分けたりしたこと。遊びの中で、積み木やおはじきなどを色分けしたり、個数を数えたり、みんなに配って「2個足りないね」「余るね」等の経験をしたこと。同時にそれぞれの家庭の中での日々の生活やスーパーでの買い物の中で「トマト3個もってきて」「ケーキが○○の分足りないね」等のそんな経験が今日の学習を支える土壌になっていると感じたところでした。幼稚園での話しことば中心のやりとりから、小学校での文字や数字を介して考えをより、明確にまとめ伝える学習につながっていくことを改めて感じたところです。
令和7年6月14日 園長 津川哲二
子どもたちの健やかな成長を
2025年05月18日
5月も半ばが過ぎ、新しく盛岡幼稚園に加わった子どもたち、そして新しいクラスでの生活をスタートさせた子どもたちも園生活に慣れ、友達と園庭やホールで思う存分遊んだり、話し込んだりする姿があふれてきました。
4月中は、先生たちも毎日の活動を通じて、子どもたち一人一人がこれまでの家庭や幼稚園での生活で培ってきた力の把握に努め、それらを活かしながら、クラスとしての一年間の指導計画を立案しました。日々教育・保育に携わる中で、見いだした子どもたちの成長の様子や今伸びようとしている姿を保護者にお話しするとともに、ご家庭で取り組んでいただきたいことなどもお伝えしていきたいと思います。同時に子育て等についての不安等については、遠慮なく担任の先生に相談いただければと思います。子どもたちの健やかな成長と保護者の不安の軽減を願い、私たちの専門である教育・保育の立場からお話しできると共に、医療・福祉・発達等については必要に応じて専門的な機関等を紹介していきたいと思います。園と保護者との協同の中で子どもたちの成長を支えていきたいものです。
さて、今、園庭の小さな畑・花壇に様々な野菜や花の苗の植え付けが進んでいます。さらにAクラスは、タッピングの畑に出かけサツマイモの苗植えも行います。子どもたちは水やりをしながら、植物の生長の観察と記録を進めます。野菜は収穫、試食を楽しみにしながらの栽培です。花は観賞しつつ色水遊びの教材にもなります。
野菜・花などの植物を育てることで、①生長に欠かせない水・土・太陽から自然環境について、②様々な世話が欠かせないことから責任感を、③作業していくには友達とのコミュニケーションが大切なことを、④収穫の喜びと食べ物への感謝の思いを、等々多くのことを自然なかたちで学ぶ機会にもなり、植物の生長が子どもたちの成長にも繋がる大切な経験になると考えています。
収穫時期が楽しみです。
令和7年5月17日 園長 津川哲二