様々な体験の中で五感を育てる
2024年11月04日
園庭や歩道に広がる落葉に秋の深まりを感じます。
幼稚園の作品展も「秋」をテーマに取り組みましたが如何だったでしょう。多くの保護者の方々に参観いただきありがとうございました。
ふたばクラスからAクラスまでの子どもたちの作品は一つ一つが個性的であり、力強さに溢れています。学年進行によって成長していく姿が作品にも映し出されおり、ついつい見入ってしまいます。幼稚園での日々の遊びや体験、学びが作品の根底に流れていることを感じます。
絵本のページをめくる楽しさ、達成感に溢れた運動会、秋の発見に出かけた歩き遠足や園外散歩、野菜やサツマイモを育て収穫し食すること等々の経験が作品に活かされています。子どもたちが育んできた「五感」を上手に活用していることも伝わってきます。 色づく秋の景色をよく見つめ眺め「視覚」、運動会などでの友達の歓声を聞き「聴覚」、木の実や土にまみれた芋の手触り感「触覚」、野菜や芋の香りや匂い「嗅覚」、食したときのおいしさ「味覚」等の五つの感覚を活用すると同時にそれを「ことば」で表し伝え確認し合うことで、物事をしっかりと記憶し経験として身につけていくと考えます。 その経験や記憶を呼び起こしての作品創りになっての今回の作品展と感じたところです。
令和6年11月2日 園長 津川 哲二
運動会 ありがとうございました
2024年09月30日
運動会 9月初めから様々な種目の練習を重ねてきた子どもたち。担任の記録等にも「遊びの中でもかけっこを繰り返したり、ポンポンをもって踊ったり・・・・。」等の一文が見受けられるように、子どもたちの期待感が高まる中での開催となりました。残念なことに2年続けて雨天により体育館での開催。子どもたちの表情はどうかと心配しましたが杞憂でした。
開会式と閉会式、Aクラスの子どもたちは入場時のプラカード係、開会宣言、準備体操、応援団、そして、閉会式での閉会宣言と役割が多かったのですが、みんなをリードする役割を担う年長組としての誇りと自覚に溢れる表情でした。その姿にB、C、保育部の子どもたちも鼓舞され、各種目がスタートしました。保護者の方々にも親子一緒の競技に参加いただくと共に、一生懸命走り、ダンスする子どもたちに笑顔と大きな拍手をたくさんおくっていただきました。外は雨降りでしたが子どもたち、そして保護者の歓声と笑顔に包まれた運動会となりました。保護者の皆様の競技参加、応援、励まし本当にありがとうございました。
ふたば会の役員の皆様にはあいにくの天候の中、様々なお手伝いをいただき、運動会を無事に開催できたこと、改めて感謝いたします。
後日談となりますが、いちご組の子が応援団のポンポンを持ち、鉢巻をつけ、大きな声で応援の真似をしていました。さらに、つぼみ組やふたば組を訪ねてクラスの子たちに応援エールをおくっているのです。 運動会でお兄さんお姉さんの姿がとても印象深く、やってみたかったのでしょう。担任の先生がその気持ちを察してポンポンと鉢巻を用意してあげたことで、保育部の応援団が誕生したのです。その姿についつい微笑み拍手をおくってしまいました。
運動会で、子どもたちが見たこと、感じたこと印象深かったことは確実に受け継がれていくようです。
終わって間もないのですが、来年の運動会への期待が膨らみました。
令和6年9月30日 園長 津 川 哲 二
子供たちの幼稚園から小学校へのスムースな接続に向けて
2024年08月15日
幼稚園での学びや経験を経て培った力を発揮しながら、のびのびと小学校生活をスタートして欲しいとの思いで、当園では小学校への円滑な接続を意識した園経営を進めています。その一環として、過日、仁王小学校の先生方に来園いただき、盛岡幼稚園の保育や教育の一端を見ていただきました。小学校は一定時刻に登校し、朝の会を行い、1時間目の学習に進むという流れが一般的ですが、幼稚園は、幅のある時間帯での登園、持ち物の片づけ、園庭などでの自由な遊び、その後にクラス毎の活動に入るという流れになることが多くなっています。そこで、幼稚園と小学校の違いでもある登園の様子から見ていただきました。0歳児からの保育・教育も行っていますから、保育部の子どもたちの活動と先生方の関わりの姿もご覧いただき、その後に、来年小学校に進む年長児のクラス活動を参観していただきました。
参観後の懇談で先生方からは、「0歳から6歳までの育ちの連続性を重視している。」「個人のマークがフックや靴箱に貼られ、持ち物の片づけが自分でできる手立てとなっていた。」「自分でやりたい遊びを選択し、十分に遊び込み、満たされた表情で次の活動に移っていた。」「クラス内はひらがなに溢れ自然な形で文字への関心を高めていた」「年長児のクラス活動では、物おじせず発表する場面、発言を聞いて質問やインタビューする場面も見られ興味深かった。」等々、幼稚園の子どもたちの活動の様子について率直で新鮮な感覚の感想をいただきました。
担任からは日々の活動の中では、個々の興味や関心事を大事にしつつ、クラス全体で共有し、関心を深めていくように日々心がけていることを伝えるとともに、一つの例として、子どもたちのトマトやキュウリの栽培について、生長観察で気づいたことを発表したり絵で記録したりすること、収穫物をみんなに配るために個数を数えることが必要になったこと、食べてみての感想を発表しあったこと等々、楽しみながら学んでいることも話しました。
盛岡幼稚園は小学校との接続を円滑にすすめるために、5歳児を対象に小学校生活に必要な意欲や態度を育てることを目的に「アプローチカリキュラム」を作成して取り組んでいます。小学校では、入学した子どもたちが幼稚園等での遊びや生活を通した学びを基礎として新しい学校生活を作り出していくための「スタートカリキュラム」を作成しています。今回、小学校の先生方の訪問は、幼稚園と小学校の接続の在り方を考えていくうえで大変意義深い機会となりました。今後、双方が作成するカリキュラムがより良いものになるよう、今回のような取り組みをさらに進めていきたいと考えました。
令和6年8年15日 津川 哲二
子どもたちの思い出の大切な1ページであり続けてほしい幼稚園時代
2024年07月08日
過日行われた「卒園生のつどい」が「にこにこ園日記」に掲載されています。
非常に多くの卒園生が来園しました。本園の先生方にとっても成長した子どもたちとの再会となり大変嬉しい一日となりました。市内10校を超える小学校に送り出した卒園生たちです。卒園して以来の再会となる同級生、担任の先生も多かったと思われます。久しぶりの再会で若干の緊張感もうかがえましたが、懐かしい表情や仕草が現れる中でそれがほぐれていくのが伝わってきました。
入園時の年齢も在園期間も様々な子どもたちですが、入園当初は保護者や家族から初めて離れる幼稚園生活で、子どもだけではなく保護者も不安一杯の毎日であったに違いありません。子どもたちは、当初、先生方との関わりがメインだったと思われます。しかし、同い年の子どもが別々の活動をしつつも同じ時間と空間を共に過ごす中で安定し、一緒に遊び、ことばも交わし、物のやり取りもするようになり、成長した姿を目の当たりにするようになった保護者の不安感は軽減していったはずです。時には双方の自己主張がぶつかりあうこともあるのですが、それも徐々に折り合いのつけ方を体得し、友達感覚が芽生え、会話も広がり、さらに園内、園庭での遊びや集団活動、制作活動を仲間と体験するなかで交友関係も広がりを見せていったはずです。
子どもたちの人生のなかで、初めての経験にあふれた幼稚園での数年間はこれからの社会を生き抜く上での基礎を培う非常に大切な時間であったと改めて感じているところです。
「卒園生のつどいに」集まった子どもたちの明るい表情にそのことを改めて感じたところです。
令和6年7月8日 園長 津川 哲二