園長だより

乳幼児への語りかけはゆっくりと

乳幼児への語りかけはゆっくりと

 当園では子育て相談に応じている。主にクラス担任がそれに対応し、相談内容は相談票に記入し提出している。1歳5か月の子を持つ親さんからの相談で、子どものことばが遅いように感じるが園ではどうかとの内容であった。それに対して担任は、保育者が話すことには反応し理解している。言葉は5語以上話せる。今は、言葉をため込む時期なのでたくさん話しかけたり、絵本の読み聞かせを行ったりしてみてはどうかと話している。

 その通りで、聴力は聞こえているようだし、理解面にも問題がないようで、今は言葉をため込む時期であることからたくさん話しかけたり絵本を読み聞かせたりすることも効果的である。付け加えるとすれば、語りかけはゆっくりとはっきりとしてほしいと思っている。特に3歳未満児に対しては大事ではないかと思っている。なぜかと言えば、ここ近年保護者の語りかけは速いのではないかと感じているからである。母親もお勤めになっていて会社での話し方が身についていると思われるし、テレビの影響があるのかもしれない。

  令和5年12月4日 園長 坂本信行

収穫感謝祭

収穫感謝祭・勤労感謝の日・新嘗祭 

11月21日火曜日、収穫感謝祭を行った。当園の収穫感謝祭はキリスト教に基づく行事です。イギリスから信仰の自由を求めてメイフラワー号で新天地アメリカ大陸に渡った清教徒が初めて収穫した喜びを神に感謝したことに始まっているようだ。初めての収穫祭には、先住民のインディアンも招待されたという。新しい土地での栽培には困難で苦労が多かったが、先住民の支援があって収穫できたからである。先住民の支援があったことを忘れないようにしたいものだ。

 11月23日は勤労感謝の日で祝日である。戦前は新嘗祭である。天皇が稲を栽培しその新米を神に捧げる式である。新嘗祭は、日本書紀にも書かれている日本の古い行事である。収穫できた喜びを「天、地、人」に感謝する気持ちは、いつの時代もどこの国でも同じである。

 令和5年11月24日 園長 坂本信行

落ち葉掃き

落ち葉掃き     

 落葉の季節である。今年は遅い遅いと思っていたがやっと落ち始めた。樹の種類によって落ちる時期も異なり、姫木蓮やハナミズキが早く、落ち始めたと思ったらもう無い。この時期になると園庭の落ち葉はきが職員の日課になっていて、二宮尊徳の「天道」と「人道」の教えが頭をかすめる。葉が落ちるのが天道で自然のなせることでどうしようもない。しかし、幼稚園は街中にあるので、落ちるままにしていれば近所にご迷惑になるので、落ち葉を掃く必要がある。その行為が人道である。葉は日々休まず昼夜の区別なく落ちるし、掃いても掃いても落ちる。しかしこれに心を煩わしたり、いらいらしたりしてはいけない。一日に一回掃いたら、あとは自然のままでよいというのである。一時間ごとに何回も何回も掃く必要がない。つまり天道と人道の調和が大事であると教えている。

 子どもたちの教育・保育にもこの「天道と人道の調和」のような考え方が大事ではなかろうかと常日頃考えている。子ども自身がもっている伸びようとする力とそれに対する適切な大人の関わりの調和が大事ではなかろうか。ほったらかしもいけないし、かまいすぎもいけない。時には我慢も必要である。子どもたち自身の伸びようとする力を育みたい。

  令和5年11月7日 園長 坂本信行

体験の大事さ

体験の大事さ   

 Aクラスの描いたさつまいもの絵を見た。太く大きいものや細長いもの、曲がりくねったもの、ごつごつしたものなどが画用紙いっぱいに描かれていた。自分の手を使ってさつまいもを掘り、実物に触った時の感触が表現されていて、掘った時の歓声が同時に私の頭によみがえった。

体験をただ行っただけでは物足りない。やりっぱなしではなく、その感激を仲間と共有しあうことが学びにつながる。ごつごつしている、重いなどのことばや今回のようにさつまいもの実物をみて絵に表すことが大事である。この経験が小学校に行ってからの生き生きとした作文等につながるものと信じている。実体験がいかに大事かを改めて認識した。アクティブラーニングである。

 令和5年10月27日 園長 坂本信行