園長だより

非認知能力を育てる

非認知能力を育てる 井深大の本を読んで 

 乳児保育について講義を依頼され、改めて3歳未満児保育の大事さについて考えている。そこで、かねてから気になっていた井深大(いぶかまさる)の『0歳 教育の最適時期』『幼稚園では遅すぎる』の2冊を読み直している。この本は、昭和40年代から60年代にかけて話題になった本である。井深は盛田昭夫と共にソニーの創業者の一人で、社長を退任してから「幼児開発協会」を設立し、理事長に就任。そこで幼児教育について一連の本を出版した。彼は「幼稚園では遅すぎる。人生は三歳までにつくられる」とし、心を育てることの大事さを強調した。当時は、知識を習得することが重視されていた時代であったが、知識(認知能力)よりも非認知能力を育てることが重要であると主張した。そして、幼児教育が知的目的から出発するのではなく、人柄を育てること、心を育てることは胎内から出発していて大事にすべきであるとした。当時は、3歳までは家庭でという流れだったので、3歳以前の家庭教育の大事さを唱えた。このようなことを世界内外の研究者のデータを駆使して展開している。近年、幼稚園業界では非認知能力の重要性が叫ばれるようになり、改めて再読した本である。

令和3年6月11日 坂本信行 

コロナ感染症3つの顔

コロナ感染症3つの顔 

先日コロナ感染症の陽性反応を示した保護者が発生し、緊急メールで保護者にお知らせした。保護者の職場で感染したらしい。幸い子どもは、職場で発生した日から自主的に休園していた。子どもはその後のPCR検査で陰性の判定だった。マニュアルでは濃厚接触者としてPCR検査を受けた場合は2週間お休みしていただくことになっている。もうすでに2週間が過ぎているが大事をとって現在も自主的に休んでいる。

コロナ感染症には3つの顔があるという。第一の顔は、コロナウイルス感染症そのものの病気の顔である。第二の顔は、目に見えずよくわかっていないウイルスなので不安とおそれの顔である。そのことから気づく力、聴く力、自分を支える力を弱めてしまい、不安が人から人へ伝染してしまう。第三の顔は、「偏見や差別の顔」で、人を攻撃たり遠ざけたりすることで安心感を得ることである。そして自分も差別されることが怖くて、熱やせきがあっても受診することをためらってしまう。負の連鎖である。

感染した人がいたら温かく見守り、決して第三の顔である偏見や差別の顔にならないようにしていただきたい。その保障があって、情報が公開される。私たちは保護者を信頼して情報を発信した。第一の顔は誰が感染するかわからないが、第二の顔や第三の顔には決してならないでほしい。負の連鎖にはならないようにしたい。

令和3年5月28日 坂本信行 

 資料 日本赤十字社「新型コロナウイルス3つの顔を知ろう」

子ども赤十字登録式

子ども赤十字登録式 

 子ども赤十字とは、小中高の学校では「青少年赤十字」別称「JRC」と呼ばれている組織で、幼稚園や保育園等では「子ども赤十字」と呼んでいます。本園でもそれに加入していて、この程登録式を行いました。本園は、Aクラスの年長さんだけが登録しています。登録式のねらいは、年長さんとしての自覚を促し、他者への思いやりの心の育成の芽を育てることにあります。

 JRCは「気づき、考え、行動する」を態度目標にしています。幼稚園でも、園児が将来自主的に生活できるように、自分がやろうと思ったことを実行することを大事にしたいと考えています。先ず、具体的活動を「やってみる」ことです。今、教育界で話題になっている「アクティブラーニング」に通じるものです。

令和3年5月12日 坂本信行 

こいのぼり掲揚式

県庁こいのぼり掲揚式

 園庭で風に揺られるこいのぼりが見られる今日この頃である。

27日、県庁のこいのぼり掲揚式にAクラスの子どもたちが参加してきた。子どもたちの健やかな成長を願う児童福祉週間の催しである。この式で、盛岡幼稚園は感謝状をいただいた。長年にわたりこいのぼり掲揚式に参加したお礼である。近年、子どもや家庭をとりまく環境は大きく変化している。良くなった面もあるがどちらかといえば虐待や育児放棄などが報道され悪化しているように感じられる。そんな中で県民に対し児童福祉の理念の啓発に率先して努めている県に対し、子どもを預かる施設として感謝している。

令和3年4月27日