園長だより

早寝早起きの習慣を

大脳の働きから早寝早起きの習慣を  

 全日本私立幼稚園のPTA新聞7月号に「夏を上手に過ごすと体も頭もすくすく」と題して、朝の光と早起き習慣、朝ごはんと学力、成長ホルモンの分泌と早寝習慣について、國學院大学鈴木みゆき教授が執筆されていた。近年の大脳の研究成果からの裏付で、興味深く読ませていただいた。このPTA新聞は、本園では「ふたば会」の会費の関係から、3歳以上児の保護者に配布しているが、生活習慣を形成する大事な時期である3歳未満児の保護者にも読んでいただきたい情報である。大人の生活は「夜型」に進行しているが、乳幼児にとって夜型は悪影響がありふさわしくない。

 一学期が終了した。一号園児は少ないが、明日から夏休みである。PTA新聞には夏休みを大脳の「感性」に関わる部分(大脳辺縁系)を豊かにということも書かれている。

令和3年7月21日 坂本信行  

未就園児の親子教室

未就園児親子教室トトロ 

 コロナ感染症は収束していないが、今年度は4月から未就園児の親子教室を計画通り週1回のペースで開催している。昨年度は感染症予防のため7月から開催した。もちろん予防対策を講じて参加人数も6組と制限しての開催である。今年度はそれを継続して4月から開催して、毎回親子は楽しんで参加しているようだ。早く以前のように参加人数を制限しないで開催できるといい。

 この親子教室は、現在の社会情勢下では意義は大きい。昔と違って核家族化が進行し、地域で気軽に話ができるような友人も少ない。そのため子育てが孤立化し、子育てについて不安感や負担感を感じている親も増えているという。

 当園では、平成11年から「トトロハウス」と名前を付けて年間30回程度(昨年度は22回)実施している。

  令和3年7月9日 坂本信行  

花の日

ミャンマーに平和を    

 サッカーW杯アジア予選に参加したミャンマー代表の選手一人が帰国を拒否し、亡命を申請したニュースが先日あった。その理由が試合前の国歌斉唱の際、軍事クーデターに対して抵抗を示す三本指を立てたことが、帰国してから処罰の対象とされるからという。

2月、ミャンマーでデモに参加していた市民が武器を持った取り締まりの兵士に花を渡したニュースがあった。市民に対して武器を向けるのではなく、花を向けてという願いである。ところが今月になって、市民側も軍隊を編成したという。「武器には武器を」では物事の解決につながらない。かつてオーランド諸島の紛争解決になった新渡戸裁定が23日の岩手日報風土計に掲載されていた。今月は花の日礼拝があった。花の持つ力を信じてミャンマーに平和が訪れることを祈る。

令和3年6月25日 坂本信行  

非認知能力を育てる

非認知能力を育てる 井深大の本を読んで 

 乳児保育について講義を依頼され、改めて3歳未満児保育の大事さについて考えている。そこで、かねてから気になっていた井深大(いぶかまさる)の『0歳 教育の最適時期』『幼稚園では遅すぎる』の2冊を読み直している。この本は、昭和40年代から60年代にかけて話題になった本である。井深は盛田昭夫と共にソニーの創業者の一人で、社長を退任してから「幼児開発協会」を設立し、理事長に就任。そこで幼児教育について一連の本を出版した。彼は「幼稚園では遅すぎる。人生は三歳までにつくられる」とし、心を育てることの大事さを強調した。当時は、知識を習得することが重視されていた時代であったが、知識(認知能力)よりも非認知能力を育てることが重要であると主張した。そして、幼児教育が知的目的から出発するのではなく、人柄を育てること、心を育てることは胎内から出発していて大事にすべきであるとした。当時は、3歳までは家庭でという流れだったので、3歳以前の家庭教育の大事さを唱えた。このようなことを世界内外の研究者のデータを駆使して展開している。近年、幼稚園業界では非認知能力の重要性が叫ばれるようになり、改めて再読した本である。

令和3年6月11日 坂本信行