園長だより

不易と流行

不易と流行(新年度の運営方針)

  運営方針の検討を行っている。その際、いつも気になるのは現在の社会情勢である。世界は今、社会の在り方がソサエティ5.0への移行期で急激に変化しつつあり、予測困難な時代とも言われている。私などは、現在の4.0の情報化社会にも対応できないのに、さらに進んでAIを駆使した社会になり、教育にもそれに対応する資質や能力が求められている。そのような状況下ではあるが、乳幼児の教育・保育を担う私たちは、園児が将来望ましい人間として成長できるように、その基盤つくりとして知・徳・体を一体として育むことが大事ではなかろうか。そのためには、自然や人やものとの関わり(活動・遊び)を通して得られる学びを重視したいと考えている。でもいつかの時代には、調和ある人間形成の土台づくりも変わるかもしれない。

令和6年3月5日 園長 坂本信行  

園訓「つねによろこぶべし」

園訓「つねによろこぶべし」

  当園の園訓は「つねによろこぶべし いつもにこにこ」である。「常に喜ぶべし」は、新約聖書テサロニケ第一の手紙5章16節のことばである。これを園児に分かりやすいような行動指針として「いつもニコニコ」を付け加えている。

  園児にとってこの園訓はふさわしい。2月の誕生会でこれを取り上げ、いつもにこにこしているとお友達が寄ってきて楽しい生活ができますが、逆にいつも怒っているとお友達は逃げていき寂しい生活になります。17日保護者による卒園を祝う会が行われ、園長の話で、「常に喜ぶべし」に続いて聖書には「全てのことに感謝しなさい」と書かれていることを紹介し、子ども達に卒園できるこの機会にお世話になった多くの方々に感謝のお礼を言いましょうと呼び掛けた。ありがとうは魔法のことばです。

            令和6年2月22日 園長坂本信行

子どもは風の子

子どもは風の子

 2月になったとたんめっきり日差しが強くなってきた。しかし、「春は名のみの」で、風は強くそして寒く、路行く大人は身をかがめて歩いている。

 そんな中で、子どもたちは大きな歓声をあげ、外で走り回って遊んでいる。路行く人は風に飛ばされないように足早に歩いているが、子どもたちはそんなことを気にしないで、大型遊具の風車が勢い良く回っているようにそれに負けじと友達を追いかけたり、逃げたりしている。子どもは「風の子」そのものだ。

 私は、「谷のうぐいす 歌は思えど 時にあらずと声もたてず」と、部屋の窓から眺めているばかりである。

    令和6年2月1日

当園の文字指導

文字指導について    

 保護者アンケートを実施しました。その設問「もう少し幼稚園で取り組んでほしい内容」に、文字を読めるように書けるように教えてほしいという意見がありました。この希望意見は数が少ないものの毎回寄せられる要望です。当園では、文字を小学校のように系統的に一斉指導はしていません。幼稚園の中には、系統的に文字指導を行っているところもありますので、保護者にはそれが重要と考えている方もいらっしゃることは理解できます。現在、日本の幼児教育は「遊びが学び」として系統的な文字学習は行っていません。私たちの指針である「認定こども園教育・保育要領」でもそれは含まれておりません。当園もそれに従っています。

 では、当園で文字指導をどのように行っているかですが、幼稚園での生活の中で、自らが自然に身に着けていけるような工夫をしています。例えば、誕生会ではホールのステージに「おたんじょうびおめでとう」と書いた文字を掲示していますし、各保育室には子どもの作品に氏名をひらがなで表示しています。別に読ませようとしているのではないのですが、文字に関心をもっていただくため意図的にそのようにしています。ちなみに教育・保育要領での「言葉」の内容は、「聞くー話す」が主です。   令和6年1月26日 園長 坂本信行